1-02-04から1日間の記事一覧

言葉の壁 石川喬司

「いよいよ日本篇の登場だね」 「ああ。ある意味では、この全集の”目”ともいえる巻だが、活きのいい国産品を集めてこんな巻を編めるなんて、つい数年前までの”舶来一辺倒”時代を思うと、まるで夢のようだな」 「まったく。例のジンクスー<SFと西部劇の出…

SFに憑かれて 矢野徹

昔習った言葉に効用価値というのがある。SFのそれは、逃避だ、娯楽だ、と言われるだろう。だがぼくには希望を与えてくれる効能が大きい。過去も現在もだ。ぼくにとってSFは、希望の象徴と言っていい。 その背景には、ぼくの過去、大きく言えぱ日本の歴史…

SFの文学性 中田耕治

ある日、私のところに友人の福島正実から電話かかってきた。 お互いに逢う機会がなくて、三、四年ぶりに久闊を叙しあったわけだが、彼はそのとき、SF小説と文学の問題について短いエッセイを依頼してきたのだった。たまたま、その数日前、私はパラードの「…

解説者 福島正実

収録作品(石川喬司・福島正実編) 光瀬龍「限りなき空間」「宇宙救助隊二一八〇年」「人間を越えて」「落陽二二一七年」 高橋泰邦「宇宙塵」 石原藤夫「ハイウェイ惑星」 矢野徹「耳鳴山由来」 小松左京「神への長い道」「紙か髪か」「時間と次元への旅」「影が重なる時」 星新一「来たるべき明日」「白い服の男」 眉村卓「万国博がやってくる」 筒井康隆「ベトナム観光公社」「ブルドッグ」 生島治郎「世代革命」  谷川俊太郎「二十一世紀の教養」 河野典生「機関車、草原に」 都筑道夫「イメージ冷凍業」 北杜夫「贅沢」「意地悪爺

「世界SF全集」月報より