1-02-04から1日間の記事一覧
「いよいよ日本篇の登場だね」 「ああ。ある意味では、この全集の”目”ともいえる巻だが、活きのいい国産品を集めてこんな巻を編めるなんて、つい数年前までの”舶来一辺倒”時代を思うと、まるで夢のようだな」 「まったく。例のジンクスー<SFと西部劇の出…
昔習った言葉に効用価値というのがある。SFのそれは、逃避だ、娯楽だ、と言われるだろう。だがぼくには希望を与えてくれる効能が大きい。過去も現在もだ。ぼくにとってSFは、希望の象徴と言っていい。 その背景には、ぼくの過去、大きく言えぱ日本の歴史…
ある日、私のところに友人の福島正実から電話かかってきた。 お互いに逢う機会がなくて、三、四年ぶりに久闊を叙しあったわけだが、彼はそのとき、SF小説と文学の問題について短いエッセイを依頼してきたのだった。たまたま、その数日前、私はパラードの「…