「プレイガイドジャーナル」についての、2冊の(?)本。

『「プガジャ」の時代』森晴樹,村上知彦,春岡勇二,ガンジー石原,山口由美子,小堀純著、大阪府立文化情報センター(編) ブレーンセンターISBN:9784833907019)を、図書館で借りて読んだ。


80年代に「プガジャ」の映画担当編集者だった春岡勇二が、三代目編集長・山口由美子、四代目編集長・森晴樹、五代目編集長・村上知彦、六代目編集長・小堀純らにインタビューした本。登場する人物などへの注釈も詳しく、また、巻末の年表も大充実の、大労作。(しかも、新書サイズとはいえ、400頁超の本で1200円というのは、安い)


個人的には、元「名古屋プレイガイドジャーナル」の編集長からスカウトされ、「プガジャ」の最期を看取ったという、数奇な運命をたどった小堀の話が特に面白かった。
ちなみに、山口は今年の6月に57歳で急死していて・・。そのことを知らなかったので、驚いた。


ところで、「プガジャ」の初代編集長は村元武という人なのだが・・。なぜ、この人がこの本に登場しないかというと・・。
社長だった村本が85年に、もう「プガジャ」をやる気力を失い・・。一方若手メンバーで「やる気満々」だった編集部と対立。そのため、「プレイガイドジャーナル社」は身売りされ、村本は別出版社「ビレッジプレス」を創設した。


それで興味深いのは、岩国学という、やはり「プガジャ」に縁があったライターの人が取材をしていて、やはり「プガジャについての本」をビレッジプレスから出す予定らしいこと(http://iwakuni.exblog.jp/7778959/)。


こっちの本も出れば、上記『「プガジャ」の時代』ではあまり触れられなかった、70年代の事情がさらに描写されるのかも。しかし、元々、一緒にやってた人たちが、「プガジャ」の本を別々に出すというのも何だかねえ。


それともう一点。この本の春岡による前書きには、「また、本をまとめるにあたり、事情から割愛しましたが、講演してくださったAさん、ほんとうにありがとうございました。」とあるのだが。
この本の元となった講演はこちら・・。
http://www.bunjyo.jp/cgi-bin/sche/sche37.cgi?mode=meisai&dsp_no=282&year=2007&mon=8

このAさんこと安藤という人は1965年生まれだから、「プガジャ」廃刊時には大学生。のちに「関西版ぴあ」の編集長になった人のようだ。


同じような疑問をもった人がこちらに・・。
http://oroka.kyo2.jp/e57048.html

こうして、「Aさん」たぶん「安藤善隆」は消えてしまった。話の内容、興味あるのに、残念だ。
「Aさん」の「講演」の代わりに入ったのが、先ごろ亡くなった山口由美子へのインタビューという構造なのか?

私も残念だ。