吉本たいまつ「おたくの起源」(NTT出版 asin:4757142099)

図書館本、読了。
おたく的なものが完成したのを、「DAICON FILM作品」と「マクロス」とし。それが生まれてくるまでの、SF、漫画、特撮、アニメそれぞれのファンダムの歴史、メディアの歴史を、関係者へのインタビューを行って、丹念にまとめた力作。


自分の頭の中で「オタクの歴史ってこんな感じかな」と漠然に押さえていたものが・・。この本により見事に整理されて、実に爽快な読後感を感じた。


本書で論じられている流れを整理してみると。

  • SF 
    • SF大会やSF同人誌がファン活動の基盤を作った。
    • 70年代後半からの「サーコン系」と「ファニッシュ系」の対立→DAICON FILM
  • 漫画
  • 特撮
    • のちに多くのライターを生んだファングループ「怪獣倶楽部」→「宇宙船」
  • アニメ
  • 中森明夫による呼び名「おたく」の発明→おたく自身が自虐的な用語しての「おたく」を使用して、セルフ・アイデンティを確立

という感じ。


特に「怪獣倶楽部」から各雑誌への編集者、ライターの流れは、あまり知らなかったことなので、勉強になった。
以下に整理してみると。