調子よすぎるぜ河口慧海/遙かなるチベット/謎の尿

河口慧海は「チベット旅行記」を出した当時、「チベットに実際はいかずに、嘘ばかり書いている」という誹謗中傷をうけたらしいです。

その理由は、「河口が官界に属さない一民間人であったため、官尊民卑の風潮から無視された」ということらしいのですが、私が「チベット旅行記」を読んだ限りでは、別の理由があります。

というのは、「チベット旅行記」という本は報知新聞及び大阪日々新聞記者による、慧海の口述筆記で成立したのですが、その慧海の語り口が講談師ハダシというか、ハリセンがパンパンと鳴り響くような「痛快異国冒険談」で、ほとんど「西遊記」のようなお話なのです。

この本で自ら語る慧海はまるでスーパーマン

・ヒマラヤの峠を独力で越える。
チベットのあちこちで生仏として尊敬される。
・道に迷った時に座禅を組むと正しい方角が天啓として示される。
・聞きかじりの漢方医学の知識を披露しただけで「チベット一の名医」の評判をとる。
チベット語を数年勉強しただけなのにチベット人と名乗ってほとんど疑いはうけなかった。

という具合です。とにかく、調子よすぎるんですわ。これじゃあ、疑われてもしかたない。

仕事多くて、終電で帰宅。疲れた。

根深誠「遥かなるチベット 河口慧海の足跡を追って」を読了。これは、ネパール通の山岳家が、慧海が通ったヒマラヤ越ルートを実際に自分でたどってみた記録。

猫が連日、布団の上で尿を漏らしてばかり。尿道炎か何かと思って妻に獣医に連れていってもらったのだが、「特に異常なし」とのこと。
毎日、洗濯ばかりしている、妻の身がもたなくなります、これじゃ。