中野晴行「球団消滅 幻の優勝チ−ム・ロビンスと田村駒治郎」(筑摩書房)

読了。

船場の繊維会社の社長で、戦前から戦後にかけてプロ野球球団を保有した男・田村駒治郎の評伝。

しかし、田村の話よりも、プロ野球2リーグ分裂時のドタバタ騒ぎの記述が興味深い。人間の愚かさって、まったく変わってないですな。

  • 読売は2リーグ制に反対。(反対した球団がセリーグに残った)
  • 2リーグ制を指示・推進したのは、元読売社長の正力松太郎。ただし、読売側は戦争協力者として、正力を追放。
  • 正力は毎日新聞に球団を持つよう依頼。セ=読売、パ=毎日の報道合戦で、それぞれのリーグを盛り上げようとした。
  • 2リーグ分裂時も理念はなし。各球団は「親会社の宣伝機構」としての存在。
  • 有力選手の取り合いで、年棒が急騰し、経営を圧迫。