中島義道「続・ウィーン愛憎」(中公新書)


読了。業の深い人だ。中島「人間嫌い教」の背後には、家族(妻と息子)の屍が・・・。


ところで「屈辱er大河原上」という漫画があるが、中島義道ってリアル「屈辱er」。

前作「ウィーン愛憎」では・・。

  • アジア人として差別される屈辱
  • 33歳なのに、親の金で留学している屈辱
  • オーストリア官僚主義に悩まされる屈辱

てな感じだったのが・・。

今回の続編の場合・・。

  • 妙な日本趣味で迎合される屈辱
  • 大学の哲学講義で、「西洋中心主義を相対化」するため、安易に仏教だの禅だのを持ち出される屈辱
  • 日本で蔓延している騒音公害に、アメリカ化したウィーンでも悩まされる屈辱
  • 親子3人でウィーンに移住早々、妻が不注意で足に怪我をし、家事をやらされて執筆が進まない屈辱
  • 元々人間嫌いの自分に、妻や息子が家族としての愛情を求めてくる屈辱

というところ。