図書館本、読了。
1966〜1967にかけて、「話の特集」誌上で行われた人生相談を収録。
なにせ、政治運動とアングラの60年代。そして相談者たちは「話の特集」読者の20歳前後の男女。質問は、「人生に意味が感じられません」「愛は一瞬と映画女優の台詞にありましたが本当でしょうか」「退屈なのが自分の最大の悩みです」「孤独でコンプレックスをかかえています」「死がおそろしくて仕方ありません」とかとか、いったものばかり。
これらの質問に対して、「人間滅亡教・教祖」深沢先生の回答は1パターン。「人間は意味など考えてはいけません。動物のように、何も考えずに生きていくのが正しいのです。若いのであれば思いっきり、美味しいご飯をたべ、体を使って仕事をし、セックスをしてください。それで解決します」
おそるべきコミュニケーション・ギャップが発生してます。深沢七郎は面白いけれど、相談者に通じないでしょうね、これじゃ。ただし、深沢七郎の「脱俗」ぶりに、わざとくさい「衒い」も感じてしまいます・・・・。