森村誠一「作家の証明」(角川書店)

図書館本、読了。2004年刊行のエッセイ集。かつてはポール・モーリアをこよなく愛していた森村先生も、坂本冬美三波春夫のアルバムに推薦文を寄せたりして・・、音楽の嗜好がかわったのかな?
あと、「リストラ考現学」というエッセイが、が処女作「サラリーマン葉隠」を連想させる「社畜になるな」という強烈なメッセージ性帯びていて、面白かった。
それから、埼玉関係のエッセイも多数収録。依頼があるからなんだろうけれど、先生は今でも熊谷を愛してるね。


それともう2つ、私が好きなエピソードを紹介。

  • 小学校のころ、森村先生が飼っていた亀が死んでしまったが、森村少年はそれを捨てられず、腐っていく死骸をずっと保管しておいた。みかねた父親がそれを「処分」したのだが、しばらくして、その甲羅が「煙草盆」に改造されて戻ってきたという・・。
  • 海外旅行なれしている先生は、トイレが不十分な国向けに、小型の酒ビンを尿瓶がわりに持参するという。「コートに隠して用を足せば、他人にはわからない」とか。