森村誠一「煌く誉生」(講談社)

森村先生の2002年刊行のエッセイ集。
デジャビュをテーマに、感動的なエピソードが。


大学3年の時、秩父山系を歩いた先生は、道に迷い、地元の母娘連れに道をたずねた。その時の、15、6歳の少女の面影が強く印象に残った。
十数年後、ある会合で出会った女性が、先生には「あの時の少女」としか思えなかった。それで彼女に「秩父出身ではないか、秩父に行ったことはないか、秩父に親戚はいないか」と尋ねたが、いずれも否定された。
それでも、先生はその女性に惹かれ、激しく恋をし、やがて彼女と結婚した。
「私は幻の少女を妻としている」、このエッセイはこう結ばれている。


やっぱり、森村エッセイはサイコー。