「40歳の童貞男」

レンタルDVDで見た。
予想より、大人しい、「よく出来たアメリカン・コメディ」だが、役者が端役に至るまで、みんなウマイ、ウマイ。おそろしく、生き生きした演技。
アメリカの俳優の層の厚みのせいか、キャスティング担当が相当のスゴ腕か、監督の演出がものすごくうまいのか、どれか。
「喪失」場面での、アース・ウインド&ファイアー絶唱アンド、登場人物全員でのダンスでは、大爆笑。


あと、「特典」についていた「未公開シーン」のほうが、なぜかすべて本編よりも面白かった。「面白すぎる」と観客がついてこれない、と判断したのかな。


それと、こういう「社会の中に確実に存在しているんだけれど、表面に出てこないマイノリティ」を扱ったコメディ映画は、日本ではかつて周防正行監督が得意としたジャンルだ。「電車男」ブームがもしなければ、「オタクの恋愛」を扱った映画は、周防監督によって撮られたかもしれない。
こういうマイノリティ・コメディ映画を、周防監督にまた撮ってほしいなあ。たとえば、ゲイ社会。たとえば、お見合い世界。たとえば日本の外国人英語教師たちの世界、あるいは幼児たちの「お受験」社会。