青木正美「古書肆・弘文荘訪問記―反町茂雄の晩年」(日本古書通信社 ISBN:4889140220)

図書館本、読了。
東大出で古本屋となり、和古書の国宝級本を多数発見して「古本界の天皇」と呼ばれた反町茂雄。かれの80歳からなくなる90歳の晩年まで、下町出身の業者でそれまで交際のなかった著者は、「古本業界の歴史を書く者」「明治古典会の会長となったもの」として、親しく交際する。
その交際の記録を日記から抜粋した者。反町の”天皇ぶり”の異常さ、そして他の業者たちのそれに対する怒り、しかし著者は「やはり偉人である」として反町を尊敬してやまない。


ちなみに、揚羽堂さんのブログに”真人”として登場する安土堂八木正自氏は、本書の端々に登場する。
八木正自氏は、反町茂雄とともに伝説の古書店一誠堂書店」で修行して独立、八木書店を創業した八木敏夫の孫。ちなみに、日本古書通信社八木福次郎氏は八木敏夫の弟。
真人は、反町の晩年の、ニューヨーク、ロンドンの古書買い付けに同行して、通訳兼秘書として大活躍されてしているのだ。