「ゴジラのテーマ」の知られざる真実? 石上三登志と森卓也のマチガイ

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前項に引き続き、『ミステリ・マガジン』2月号掲載の、大林宣彦石上三登志による対談「『ゴジラのテーマ』の知られざる真実──映画的教養と伝統から成り立つ美談」について。
この対談記事の「知られざる真実」とは、伊福部昭による「ゴジラのテーマ」(『ゴジラ』第1作(1954)のタイトル曲)のルーツが柳家金語楼主演の喜劇映画『社長と女店員』(1948)であることを発見したというものだった。

だが、実は「ゴジラのテーマ」の旋律は、伊福部が戦時中から作曲を始め1948年1月に発表した純音楽作品「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲」(のち2度改訂され「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」と改題)にすでに使われている。『社長と女店員』の公開は同年の12月。つまりこの時点でもう流用なのである。『社長と女店員』ルーツ説は、「知られざる真実」どころか事実誤認でしかない。「ゴジラのテーマ」の旋律の正しい起源については、伊福部昭に関する研究書にはもちろんレコードやCDのライナーなどにも明記されており、ゴジラ/伊福部ファンにとってはほとんど常識となっている。たとえ知らなくても、「ゴジラのテーマ」についての記事を発表しようとするなら、まずこういった基本的な資料をチェックするべきではないのか。

なるほど、ちょうどこの「ミステリマガジン」のバックナンバー、先日、図書館で借りて読むトコロであった・・。
石上先生にも、こんなフライングがあるのか。森卓也先生はまあ、「着ぐるみ怪獣は認めない」人だから、仕方ないのかもしれないけれど。


やはり、「蛇の道は蛇」だね。