図書館本、読了。面白いことは面白かったが、予想したものと、内容が違った。
書名からして、古来からの日本の歴史上で、提唱されたトンデモな学説を検証している本かと思ったが。
実際は、近代以降に提唱されたトンデモ説、偽書を紹介して、論破するというもの。
とりあげられたトンデモ説は以下のとおり。知らない物も多かった。
- 織田信長はカトリックの謀略で殺された。
- 豊臣秀吉は美濃墨俣に「一夜城」をきづいた。
- 武田信玄は騎馬民族の子孫として、戦後最強の軍団をひきいた(山梨在住の推理作家・岩崎正吾が唱えた説)。
- 世界最古と最大のピラミッドは日本にある(酒井勝軍の説)。
- 与那国島沖の海底に古代遺跡がある。
- これは、小松左京まで現地を見にいったくらいの説だが。その場所は潮流が非常に強く、その波の力で自然の力で「人工的っぽい地形」が形成された。もし古代遺跡なら、強い潮流で破壊されているだろう、と。
- 古代文字を刻んだ石碑・ペトログラフが全国で発見されている。
- 「失われたアーク」は四国剣山にある。
- 足摺半島に縄文時代の巨石灯台がある。
- 南の島バヌアツや南米大陸で縄文土器が発掘された。
- 遮光器土偶は宇宙人をかたどった神像である。
- 日本にもレイライン(古代遺跡や神社などをつないだ線)がある。
- 日本に弥生文化をもたらしたのは秦の徐福だ。
- かぐや姫と似た民話が中国にある。かぐや姫の話は中国から伝わった。
- 倭の五王は畿内の王ではなく、九州王朝であった。(古田武彦の九州王朝説の影響)
- 源義経はジンギスカンになった。
- 竹内文書こそ真実の古代史だ。日本は世界の王者であった。
- 「秀真伝」こそ、「古事記」「日本書紀」の原本だ。
- 「富士宮下文書」によれば、富士山の北麓には壮麗な古代都市があったが、地震で埋没した。大正10年に発表されると、知名人らが多く、この説を信奉した。実際は稚拙な偽書。
- 婦人生活者の創業者の原田常次は、70歳で社長業をやめたあと、全国の神社の資料をめぐり、「ニギハヤヒ」という神は、色々な別名を持つ偉大な神であったという、特異な学説を発表し、信奉者を多く獲得した。
- 安彦良和の漫画「ナムジ」「神武」は、原田説を元に描かれているという。「ナムジ」は以前読んで、「神話・古代史を、オリジナルな解釈しているなあ」と関心したのだが。元ネタがあったのね。
- 聖徳太子は実在しなかった。
- 聖徳太子は超古代文明の地球儀を持っていた。
- 聖徳太子建立とされる寺の「寺宝」であるが、地球儀自体は江戸時代の産物。
- 一枚の写真「維新の群像」が明治維新の真相を暴く。明治維新はフリーメーソンが起こしたものだった。
- http://blogs.yahoo.co.jp/siran13tb/36387308.html
- この写真は、明治28年の「太陽」に発表された写真だが。「維新前の長崎洋学生」としかキャプションはない。維新の英傑と似ている人物を無理やり特定して、珍説を作ったもの。
- http://blogs.yahoo.co.jp/siran13tb/36387308.html
- 日本の原爆開発を止めたのは昭和天皇だった(五島勉の説)
- 聖徳太子は大予言者だった。
- 安倍晴明は式神をあやつる、美貌の貴公子だった。
- 実際は54歳で天文博士についた、遅咲きの官僚。
- 明智光秀は利休として秀吉に、天海として家康につかえた。
- 松尾芭蕉は隠密だった。
- 日本の近代化は中居屋忠兵衛がおしすすめた。
- 1983年に発見された、水戸藩家老・中山家の中山文庫による。だが、実際の中山家は否定している。しかも、保管場所をもたない、アパート住まいの人物(!)が次々と大量の古文書を「発見」し続けた。(ここまで来ると、笑うねえ)
- アインシュタイン曰く、「日本は世界の盟主」。
- 元はドイツの法学者「スタイン博士」の説とされたいた。ただし、スタイン博士もこんなことは言っていない。
- 出口王仁三郎こそ、日本最大の予言者だ。
- 浦島太郎の竜宮城はポナペ島に実在した。
- 1985年に日本テレビがこの仮説を立てて取材し、現地の研究者たちにこの「先入観」を受け付けた。2000年、フジテレビが同じ趣旨で取材したため、島民たちは「期待される答え」を答えた。
- 「君が代」は九州の古代王朝の挽歌だった。
- 東北の雄・安東水軍は、鎌倉時代には、北はシベリア、西はインドまでの航路を開拓していた。だが1340年の大津波で滅んだ。