繁田信一「庶民たちの平安京」(角川選書 asin:4047034231)

図書館本、読了。


貴族たちの日記や、王朝期の文学作品に記録された、庶民たちの暮らしを描く。この「平安京に暮らす庶民たち」は、貴族や朝廷の召使であったようだが。
それだけに、貴族たちの暮らしぶりにも詳しく、庶民であっても「歌を詠んだり」「文書を書いたり」「貴族の真似をして、自分たちの内部で敬語を使ったり」する。


それと、当時の「王宮」である内裏は、「庶民たちの出入り」にまったく無警戒であったようで、朝廷の公式行事の最中に庶民たちが騒ぎながら駆け回ったり、皇后が仏事をやっているすぐそばに女乞食が物乞いをしたりしている。
この著書のほかの「王朝生活史」ものも、読みたくなった。