「プレイタイム」(asin:B00017YXTQ)

ツタヤの郵送レンタルで。


ジャック・タチが膨大な制作費と2年もの製作時間を費やした、「累世の作品」。パリの最先端のビルの「展示会」にアメリカの女性たちが観光に来て、夜はできたばかりのレストランで食事する。


そのすべてのカット、シーンを、ジャック・タチのこだわりまくった撮り方でとっている。自身の出演はほとんどないが、すべての登場人物の「演技のふりつけ」をタチがしとという。


結果的に「コメディ映画を芸術に」というタチの理想は実現されてはいることは、映画を見ていてよくわかるのだが、それが「笑い」に転化しない。
桂枝雀の「緊張と緩和」理論でいえば、この映画を見ている間に観客である当方は「緊張しっぱなしで、緩和がなく」、笑いどころがないのだ。
この映画が「世紀の失敗作」になったのも、むべなるかな。