図書館本、読了。
「保元物語」「平治物語」「平家物語」「承久記」という、平安末期から鎌倉初期の「歴史文学作品」について、「西洋の叙事詩との比較」「文学書としての達成度」「歴史的事実と描かれている内容との比較」。
- これらの物語は1230年代に書かれた。当時、まだ生き残っていた関係者がいた。
- 後高倉天皇の乳母は、藤原基家に嫁いだ、平頼盛(清盛の弟)の娘。その夫婦の娘が後高倉天皇にとつぎ、後堀川天皇を生んだ。(「平家の血」の復活)
- 「いくさ物語」は内戦を描いているため、善悪が相対的であり、「叙事詩的」ではない。
- 義経が上京した際は数千の軍しか率いていなかった。「一の谷の戦い」は、後白河上皇が「和睦」と偽っておきながら、源氏が奇襲をかけたための平家の自爆。(幕府の歴史書である「吾妻鏡」も「平家物語」の影響を受けて、誤った記述に)