御厨貴「表象の戦後人物誌」(千倉書房 ISBN:4805109122)

図書館本、読了。
著者は政治家への聞き書きによる「オーラル・ヒストリー」を提唱する政治学者。


その問題意識からの、戦後を代表する様々な人物たちの著書についての書評集。
とりあげられているのは以下の本。


なかでも、巣鴨プリズン時代の笹川良一を日記から分析した文が面白かった。
戦前の「逮捕・拘置経験」がある笹川は、同じA級戦犯には「獄中体験者の先輩」として過ごし方の見本を見せ、また、A級戦犯の特権を認めない行動で、同居していたBC級戦犯の間にも人気抜群。
一種の「名物男」的存在だったという。