四方田犬彦「濃縮四方田」(彩流社 asin:4779113687)

図書館本、読了。著書100冊到達記念の出版。(といっても、共著や訳書が入っていたり、映画祭パンフレットが入っていたりで、その基準はかなりあいまいなのだが)。
「それまでの99冊」からおのおのセレクトした文章をまとめて、そしてそれぞれの著書の内容や出版経緯についてコメントがついている。


著書が多すぎて、とても読む側がついていけないこの人なので、こういうセレクト集はありがたい。
ただ、序文で「この本は、中学生の頃愛読していたSF作家のアシモフが、著書100冊目でやっていたことに習った」と書いているのだが。
そのアシモフの紹介で「ロボット法という法律を最初に作った」と書いているのはいただけない。アシモフが作ったのは「ロボット工学の三原則」。


唐沢俊一検証Blog」を愛読しているために、自分も「検証モード」になっているのだが。
「博覧強記、語らざる分野なし」というくらいその「物知りぶり」を誇っている四方田だけれど。こういう調子では、他の分野についての記述でも、専門家からみたらミスがボロボロとあるのではないだろうかと、心配になるのである。