大橋博之編「光瀬龍 SF作家の曳航」(ラピュータ )

図書館本、読了。


光瀬のエッセイや、単行本未収録の小説などから構成した、自伝的な書物。
空襲体験、4年しか住まなかったのに「故郷」としてこだわった岩手県前沢町への思い、さまざまな学校や職を転々とした20代の文学青年時代。などなど。


光瀬は、「ロン先生」以外にエッセイ集をほとんど刊行しなかったため。
生前にはほとんど知られなかった、作家・光瀬龍の原像が解き明かされる。


なかでも、30歳で「宇宙塵」に入会し、翌年31歳で女子高の教師となり「はじめて定職についた」という経歴には驚かされる。
その風貌と「元教師」というプロフィールから、勝手に「実直な人」と思っていたが。10代後半から20代は、「シュトゥルム・ウント・ドラング」な人だったのか。