四方田犬彦「『七人の侍』と現代 黒澤明 再考」(岩波新書 )

図書館本、読了。
第一章で描かれる、世界各地で黒澤の映画がアクチャルなものとしてとらえられている、さまざまな例の紹介は面白い。
第二章以降の、『七人の侍』の分析では。黒澤が、脚本作『殺陣師段平』から、時代劇における様式的な殺陣に批判的で。『七人の侍』ではその半殺陣的な戦闘術を描いたのだが。後の『用心棒』では、新たな様式的な殺陣に後退していると、論じているのが、興味深かった。