東照宮/華厳の滝/中禅寺湖

旅行四日目。
金谷ホテルの広々とした部屋に名残を惜しみながら、ワイドショーの、ルーシーさん関連のニュースを眺める。

修学旅行の小学生たちで満杯の、日光東照宮に参る。
http://www.mct.gr.jp/world_h/isan_toushogu.html
ゆっくりと見てまわったが、リアルかつシンボリックな、動植物の彫り物が最高! 
東照宮に勤務する研究者・高藤晴俊の著書「図説・社寺建築の彫刻」で予習しておいたので、象と貘、龍と息と蜃(蜃気楼はこの霊獣が吐く息からできる)、獅子と狛犬、亀と犀(霊獣としての犀には甲羅がある!)といった、類似アイコンがきちんと判別できて、なんか自慢。鳥とか植物とかは区別できなかったけれど。

ところで、一番有名なアイコン「眠り猫」のところで、観光客相手に自信ありげに説明している神官を目撃。「この眠っている猫は平和を象徴しているのです。ところが最近の世間の風潮といったら、アメリカがいうグローバルスタンダードだか何だか、競争を煽っていますね。あれは絶対間違っていますよ」。
この人は、高藤先生では?

東照宮下の売店で昼食を食べていると、地震があった。明治にこの地を旅し、金谷ホテルに写真が飾られている女性、イザベラ・バード「日本奥地紀行」にも日光で地震にあったと書かれていた。不思議な暗合。

少しぶらぶら歩く。金谷ホテルの昔の建物(古い2階建ての屋敷で、「日本奥地紀行」にもイラストが載っている)が残っていたので、庭を少し歩いてみた。

バスでいろは坂を昇って中禅寺湖へ。

バス停から5分のところに、華厳の滝がある。書き割りのような、ピクチャレスクな風景。しかし、こんなに簡単に行けるのではありがたみなし。

エレベータで滝壺の側まで降りてみるが、大はしゃぎの小学生軍団に辟易。ジャージ姿の引率の先生が、「おまえ達、地層の勉強しているだろ。あそこの壁の地層がどうしてああなるのか言ってみろ」。

中禅寺湖の東岸の、「自然観察道」という湖畔の道を散歩。通行する人もほとんどおらず、鳥や昆虫の姿も見えない。死の世界のよう。

自然堂の終点に5時半に到着。が、戻りのバスまで一時間あるというのに、レストランも売店もすべて閉まっている。日が暮れてきて恐ろしく寒い。
売店のベンチで震えながら、バスを待つ。

帰りのいろは坂で、バスはおそろしく揺れて、妻が車酔い。私も気持ち悪くなった。東武日光から、特急で帰京。