森村誠一「自由とロマンの共和国」(新日本出版社)

図書館本、読了。91年発表のエッセイ集。
昨夜の寝れない時間に読了。
エッセイ発表時期が、ペレストロイカ以前の米ソ対決最終時代だったことと、「悪魔の飽食」の残滓とで、「反スパイ防止法」「反平和憲法改正」関係のエッセイ、「共産党関係者との対談」等が多い。でも、森村先生のパッションは相変わらずバリバリです。


巻末に「孤独にかける橋」というショート・ショートがあるが、これが最高!
集団就職で東京に就職した青年。だが、職も転々とし、友も出来ず、唯一の友達はFMラジオだった。
そして、青年が乗った夜行列車が上野駅を出た時、何度も何度も投稿しても採用されなかった、青年のリクエスト曲、サイモンとガーファンクルの「明日に架ける橋」がラジオから流れた。

きみが打ちのめされたとき
きみを慰めてあげるだろう
きみの苦しみをかわってあげよう
辛いときは来て
頼る友達もないときは
荒波に架ける橋のように
僕が身をなげかけてあげよう


うーっと、泣けます。