金原亭伯楽「小説落語協団騒動記」(本阿弥書店 2004年刊)

図書館本。朝4時に起きて、眠れないまま読了。
題材は、真打の大量生産をめぐる円生の落語協会脱退事件で、この事件については三遊亭円丈が「ご乱心」という体験記を事件直後に書いている。


何故、20年以上たってから書いたのかわからないが、この本の著者は、馬楽の弟子なので、馬楽・志ん朝サイドから見た「騒動記」となっている。それと「小説」なので、登場人物全員が仮名(誰か、すぐわかる仮名だが)。著者の想像で再現した会話が多いからだろう。


「ご乱心」では一番の悪役は円楽だったが、この小説では談志。
志ん朝に真打昇進を抜かれた腹いせに、円生師匠をたきつけて新協会をつくり、自分はその幹部になりたかった。だが、円生が談志より志ん朝を評価していたので、また腹立たしくなり、新協会からも脱退したと・・。