大原緑峯「平凡社における失敗の研究」(ぱる書房 87年刊 ISBN:4938238810)

神奈川県立図書館から取り寄せてもらった図書館本、読了。
著者は平凡社で、「ドキュメント昭和史」「日本人の自伝」「林達夫著作集」「オーウェル著作集」などの編集にあたり、取締役までつとめて退職した人。81年、86年の平凡社の経営危機を分析している。
「家族主義のぬるま湯体質」「高級道楽趣味」がその原因だとし、「東洋文庫」や「平凡社カラー新書」なども糾弾している。あと、「太陽」は78年ごろから既に、売れなくなっていたのね。
今後の対策として、「百科事典の情報蓄積を元にした、ニューメディアとの連携しかない」と提言しているのは、当時としては鋭いし、あたっていた対策だったと思う。