村井吉敬「エビと日本人2」(岩波新書 ISBN:400431108X)

図書館本、読了。1988年に出た「エビと日本人」の、19年後の続編。
19年前よりさらに経済のグローバル化が進んだ現在。インドネシアのエビ養殖地は、マングローブ林を切って次々に作られているという。ちなみに、そのマングローブが木炭になり、日本の焼肉屋などで使われているという。
マングローブ林がなかったため、先日の東南アジアの大津波の際も、被害が大きかったという。


日本のエビ消費量はといえば、バブル崩壊後の不況下のため、19年前と同水準である。ただ、自宅でエビ料理をする機械が減り(主婦が、天ぷらやエビフライのような、油であげる料理を忌避しているという)、生産地ですでに加工された冷凍食品が、輸入されることが多くなっているという。「エビ加工工場で搾取される労働者」と「消費者である我々」との距離は、相変わらず、遠い。


また、エビの品種もかわって、以前主流だったブラックタイガーはウィルス発生により激減し、ニカラグア産のバナメイという白いエビが現在の主流となっているという。
また、アメリカ人が「健康食志向」になり、エビを食べるようになった。中国などのエビ消費量も増え、世界全体のエビ消費量は19年前の2倍となっているそうだ。