獅子文六「おばあさん」(角川文庫)

「信子」と同じ本に収録された作品で、昭和17年から昭和19年という「戦中」に「婦人之友」に連載されたもの。


「元家老の家柄」に嫁に入った、69歳の老婆が主人公。息子、娘、孫たちの様々な問題に、「老人の知恵と気概で、正しく対処」していくお話。
戦中の作品なのに「戦争前が舞台」なので、どういうことかと思ったら・・。なんとこの小説は「12月8日の対米会戦」のおかげて、「一家の様々な問題が解決されてハッピー・エンド」という、おそるべき小説なのであった。