ビデオ「マイアミ・ブルース」

最近かった中古ビデオ。漫画家の古泉智浩先生が大推薦(http://vivaall.cocolog-nifty.com/douteijanee/2006/08/post_8727.html)の1990年製作の「ボンクラ映画」。これは、確かに面白かった。


刑務所から出たばかりのアレック・ボールドウィンが、馬鹿丸出しの演技で、刹那的に金を盗みまくる。
対する、エキゼクティブ・プロデューサーも兼ねているフレッド・ウォードという役者が演じる、マイアミ殺人課の刑事も何か馬鹿で、ボンクラ同士の対決という様相。
他に、「目の見えない黒人の情報屋」がいたり、無意味に凝った脚本も間抜け。全体的にリアリティがなさすぎて、ヌルイ設定のタランティーノ映画という雰囲気。


この映画は、原作者がいるので、その名前で検索してみると・・。
ミュージシャン・翻訳家の山田貴久という方(ちなみに、この方は2006年に35歳でなくなっている)の下記サイトでは。
http://zoetron.zombie.jp/2004news

チャールズ・ウィルフォードの邦訳されてる作品は、
『危険なやつら』
『マイアミ・ブルース』
『マイアミ・ポリス』
『あぶない部長刑事』
『部長刑事奮闘す』


『マイアミ・ブルース』は創元文庫、それ以外は扶桑社文庫から出てます。
『マイアミ・ブルース』は新刊で探すのは大変かも。
扶桑社の方は古本屋で探せばあります。
エルモア・レナードタランティーノも絶賛の彼の作品をぜひ味わって欲しい。
上に挙げた『マイアミ・ブルース』以下の作品はホウク・モズリーという刑事を主人公にした
シリーズで、ウィルフォードの後期のヒット・シリーズ。
このシリーズを書くまでは彼はずっと不遇だった。
しかし実際にウィルフォードらしさの溢れる面白い作品は不遇な時代にありそうだ。
僕は60年に書かれた『WOMAN CHASER』しか読んでないが、そのユーモラスな狂気感は非常に独特だった。なかなか初期、中期の作品は入手が大変なので、アメリカのアマゾンで中古を買おうと試みてる所。頑張って翻訳して行くつもりなので、ぜひパルプというジャンルでしか描き得ないこの独特の狂気感を味わって欲しい。

ということで、この映画の良さはチャールズ・ウィルフォードという原作者の良さのせいもあるようだ。
故・山田さんがお勧めのウィルフォードが原作、脚本、出演している「コックファイター」という映画も見てみたいなあ。