図書館本、読了。若き時代から「天才脚本家」として名をなし、後に増村保造とコンビを組んで傑作を連発した著者の、赤裸々な回顧談を中心とした本。
自身も「○○とやった、○○とやった」と書きまくっており、また「○○は○○は出来ていた」と暴露しまくり。まら白坂自身もはまっていた、現在は非合法のラリパッパ睡眠薬「ハイミナール」蔓延話もあり。日本版ハリウッド・バビロンの趣き。
(詳細はこちらのサイトにあり)
http://officematsunaga.livedoor.biz/archives/50649355.html
http://officematsunaga.livedoor.biz/archives/50649711.html
だが、副題にある「書いた!跳んだ!遊んだ!」とあるわりには、その「遊び」についての爽快感がなく、生々しすぎるヤナ話を読まされたという読後感。
しかし昔の愛人のことを「セフレ」などとイマドキの言葉で表現する、この今年76歳の老人は、いったい何者なんだろう。
本書の構成
- 序文 新藤兼人
- エッセイ
- インタビュー(インタビュアー:桂千穂)
- 座談会(井上志津、北川れい子、高山由紀子、松本真樹)
- シナリオ「野獣死すべし」「大地の子守歌」
- 既発表エッセイ「白坂依志夫の人間万華鏡」(白坂がセックスした相手には○)
- 左幸子(大学時代の劇団仲間 ○)
- 三島由紀夫
- 寺山修司
- 市川雷蔵
- 太地喜和子(スターになるまえの無名女優時代に○)
- 増村保造(増村監督は「盲獣」に出演した緑魔子にべた惚れで、彼女のことを「大女優」と呼んでいたという)
- 山本夏彦(白坂の叔父)
- 越路吹雪(△:越路に誘われたが拒絶)
- 蔵原唯繕
- 水木洋子
- 嵯峨美智子(○)
- 藤本真澄(藤本がソーローだったことを暴露)
- 団令子(○)
- 須川栄三
- 菊島隆三(この文中で、木下恵介がゲイだと暴露)
- 西村潔
- 美輪明宏
- 伊丹十三(大江健三郎の初期作品「性的人間」のプレイボーイの俳優は、伊丹がモデルだという)
- 実相寺昭雄(実家は実相寺という寺だった。撮影のかけ声に「用意、スタート、ハイ!」のかわりに「用意、スタート、ガバチョ」と声をかけるため、「ガバチょ」というあだ名があった)
- 渥美マリ(○)
- 八住俊雄(著者の父で、脚本界の大御所)