小谷野敦「美人作家は二度死ぬ」(論創社 asin:4846006964)

図書館本、読了。
表題作は、樋口一葉が長生きして、凡庸な作家として忘れられたパラレルワールドの1985年が舞台。
一葉(この作品内では結婚後「山室なつ子」)の研究を修士論文の題材に選んだ、女子大大学院に属する女の子を主人公にして、一葉作品を別面から切り取った批評的な作品。
未来の文学賞選考会のパロディである短編「純文学の祭り」ともあわせて、仕掛けたっぷりのコミック・ノベルで楽しめた。この傾向の作品も、続けて書いてほしいなあ。