平山蘆江「東京おぼえ帳」(住吉書店 )

図書館本、読了。
ウェッジ文庫から再刊されたばかりの本だが、大田区の図書館に1952年刊行の元本が置いてあったので、借りて読んでみた。


花柳小説の第一人者の著書が、「花柳界を基点にして見た」明治から大正にかけての「役者たち」「政治家たち」「さまざまな芸人たち」の銘々伝。
目次及び内容は以下のとおり。

  • 梨園の花
    • 六代目
  • 梅幸怪談
    • 尾上梅幸が芸者「小文」を捨てたことから、周囲や本人が次々に早死にしたという因縁話。
    • 東京人高はし
      • 二代目佐団次は東京人からは苗字で「高橋」と呼ばれた。
    • 田甫の太夫
      • 沢村源之助
    • 新派劇起る
    • 芝居から劇場へ
    • 化物屋敷
      • 大久保に継母が継子を殺した家があり「化け物屋敷」と呼ばれていた。そこに住んだのが坪内逍遥で。島村抱月松井須磨子の早世はその祟りだという・・(逍遥は別に早死にしなかったよね)
  • 狭斜の月(花柳界でのエピソード集)
    • お妻とぽん太
    • 清香と花香
    • 萬龍と照葉
    • 伊藤の御前
    • 画家と骨董屋
    • 林家と春本
      • 日露戦争後の海軍がひいきにしたことから、赤坂の芸者街が勃興。
    • 出会茶屋
    • 市中騒動記
  • 絃歌の雪(音曲関係のエピソード集)
    • 江戸小唄由来
    • 高輪の師匠
    • 長唄銘々伝
    • たれぎだ物語
    • 雲右衛門哀史
      • 桃中軒雲右衛門
    • 情炎恋火録
    • 浅草繁盛記
    • 吉原叢話
  • 街頭情緒
    • 常陸時代
    • 異風変容録
      • 異様な風体で東京名物だった人たち。吉野世経、岩谷松平、服部谷斎(尾崎紅葉の父)、日比野雷風、坂本紅蓮洞、本荘幽蘭、スタール博士、ジョンペール、揚羽家徳次(徳昇)、山田金箔
    • 好況時代
    • 金銭出入控
    • 今昔言葉の泉
      • 新語の生みの親・新派劇の作者「瀬戸英一」他
    • 名物そばと鮨
    • お好み甘味処