紀田順一郎「昭和シネマ館 黄金期スクリーンの光芒」(小学館 )

図書館本、読了。著者が若き折、映画黄金期の1950年代を中心に、「当時の視点」から、様々な映画や映画人たちをとらえなおす。

  • 小津安二郎の早すぎる離陸 同世代から見た「麦秋」「東京物語」「お早よう」
    • 独身者としての小津が描いた「理想の家族」
    • 強烈な異物としての子供
  • 乾いた街を潤したシネ・ミュージカル 「アニーよ銃をとれ」から「雨に-唄えば」に見るアメリカの夢と情熱
  • 敗北を認めない戦後型ヒロインへの共感 「風と共に去りぬ」とメロドラマの真実
  • ヒーロー、一度去ってまた還らず 西部劇「シェーン」の語り残された謎とは
    • 「シェーン」の暴力描写は当時としては画期的であった。
    • 赤狩り時代の風潮への反発?
    • 天国の門」と同じく、ジョンソン郡戦争をモデルに。
  • 空想科学映画の黎明期 「宇宙戦争」に潜む地上の闇
  • 同世代のベストワンは「二十四の瞳」 「七人の侍」の意外な評価
  • 夜の闇を駆け抜けたフィルム・ノワール 「現金に手を出すな」の戦後型アンチ・ヒーロー
  • 疾走する裕次郎、戦うグレン・フォード 「太陽の季節」と「暴力教室」の戦後的エネルギー
    • 「暴力教室」の「教師に徹底的に反抗する若者」描写の画期性
    • 同時期に「性教育映画」として公開された「明日では遅すぎる」
  • 変容するスリラーの巨匠 「鳥」「マーニー」から解読するヒッチコックの迷宮
    • 「サイコ」は「ユーモアが足りない」として同時代では低評価
    • スターの花々が開き、世界が魅惑された ヘップバーンとモンローの知られざる真実