ビデオ「UNLOVED」()

オークションで5000円で落札した、万田邦敏監督の91年作品。
先日見た「接吻」がすごくよかったので、同じく、監督の奥さんが脚本を書いているこの作品を見てみた。


市役所につとめて地味な生活をしている30代前半の女性主人公が、ベンチャー企業社長に誘われるが、「私たちはの違う世界にいるのよ」とその誘いを拒否。同じアパートに暮らす、宅配便の契約社員の年下の男のつきあい始める。
あまりに、「接吻」と似たような話で似たような演出。先に「接吻」を見たのだから、こちらは特に頑張ってまで、見なくてもよかったかも。


ただ、監督が最近出した著書「再履修 とっても恥ずかしゼミナール」に書かれている。奥さん(万田珠美)の発言等を読むと。彼女は、脚本執筆当時の2000年ごろ、丁度こどもが5,6歳で、幼稚園のママ友つきあいに感じる「格差」をモチーフに、この主人公を造形したという。幼稚園というのは、親の収入・地位の違いによる格差が、もっとも如実に現れる場だよねえ。
「勝ち組」「負け組」という言葉がまだない次代に、先駆的にそのテーマを提出しているのは、面白い。


それと、奥さんは「男社会に対するフェミニズム的問題意識」も脚本執筆にこめていたそうだが。監督の演出の中で、そのテーマが消えてしまっているようだ。