中島梓「転移」(朝日新聞出版 )

図書館本、読了。膵臓癌の転移が発見されてから、死去までの日記。
前作「ガン病棟のピーター・ラビット」では盛んに「メメント・モリ」と語っていたが、そのような余裕もなくなっている末期癌患者の日々。
癌との闘病、その合間の必死での楽しみの他。同居している老母との葛藤や、若年時のお手伝いの食事が性に合わず節食障害をわずらった過去なども、あかされる。
母親との葛藤については、「弥勒」という単行本未収録の私小説があり、この続編を書く予定だったとか。