羽仁家タブー

石村博子「東京の名家」(角川oneテーマ21 ISBN:4047040711)という本を読んでいると、斎藤家、澁澤家、夏目家等と並んで、羽仁家が登場。
なのだが、左幸子のサの字も出てこないんですね、これが。私など、いまだに羽仁未央の顔を見るたびに、「あ、お母さんとそっくり」と思うのだが。「個人として生きる、孤高、厳しさ、潔さ」なんてのが家風らしいので、「妻の妹と不倫して別れた」なんて書けないのか・・。書けないよね。


これはライターの人の責任じゃなくて、元々の連載雑誌「東京人」での企画(とボリューム)の問題なんでしょうが・・。この本、一族の中のマイナスカードというか、変人キャラが無視されてるんですよね。

現存している子孫から見た一族の歴史なので、子孫を残すことなく絶えてしまった、変異種はオミットされても仕方ないですが・・。でもおかげでキレイごとばかりの平板な出来になってます。

たとえば、斎藤家には米国(よねくに)という北杜夫の叔父にあたる人がいて、「楡家の人々」にも、かなりの変物として登場してます・・。この人なんかも見事に無視されてるもんなあ。あと、フランケン的な巨漢の相撲取りも、斎藤家の半養子状態だったりするんだよねえ・・。