図書館本、読了。
これは面白かった。山田正紀と恩田陸、世代の違う二人が、さらに読み巧者の司会やゲストを交えながら、古典とされるSFを中心に、「実作者」としての実感もふまえながら感想を言っていく。
恩田陸って、実は一冊も読んでないんだけれど、読もうかなあ。
で、とりあげられた作品と、私が面白かった点。
- 半村良「石の血脈」「岬一郎の抵抗」
- アシモフ「鋼鉄都市」「はだかの太陽」
- ル=グイン「ゲド戦記」
- 1巻目は、その後似た作品がどんどん出て、ちょっと「陳腐」になっている。
- 各巻ごとに、「いままでの世界観は間違えていて」と、仕切りなおすのがスゴイのか、変なのか。啓蒙的な姿勢を感じる。
- 沼正三「家畜人ヤプー」
- 小松左京「果てしなき流れの果てに」
- 「宇宙意志としての進化」と「それへの反抗」。これは、戦後文学とマルキシズムへの反抗をひきずっている。
- 山田正紀「神狩り」
- 脚注でびっくりしたが、「東京ゲリラ戦線」の藤本泉は89年、旅行先のフランスで消息不明となった!!!!
- これはびっくり。「人間は関係代名詞が七重までしか理解できない」「神の言語は十三重ある」。この「七重まで」には、特に元ネタはない。思いつきだった!!!
- スティーブン・キング「呪われた町」「ファイアスターター」
- このあたりまでは、編集者がカリとっていた。「大家」になってからは、編集者の抑えが効かなくなって、「長い長い本」を書くようになった。
- キングは身の回り10メートルの自分の知ってることしか書かない。(ワタシの意見。キングはまったくインテリ作家ではないバカ作家。なのに、小説のテクニックばかりスゴイのがスゴイ)
- 萩原望都「バルバラ異界」
- 恩田陸「常野物語」
- これらは、未読なので、ワタシは話についていけなかった。