山口正介って森類みたいな人だな。

上記本で、山口瞳がなくなった際、ある人から山口正介は「正ちゃんにとって、瞳先生はちょうどいい時に亡くなったんだよ」と言われたという。「当時私は45歳であったが、何者でもなかった」と。


それから12年、申し訳ないが、状況はほとんど変わってはおらず、相変わらず「山口瞳の息子」状態。
彼の著書を読んでみると、「山口瞳のことを書いたもの」以外はやはり、退屈なのである。


ちなみに、森鴎外の後妻の3人の子供、森茉莉小堀杏奴森類は、それぞれ父の思い出を書いた。そして、茉莉、杏奴の二人の娘は、「森鴎外以外のネタ」でも勝負できる、評価の高いエッセイストであった。
だが、末弟の類が残したのは、「鴎外の子供たち」「森家の人々」の二冊であり、それ以外は「何者でもない無能の人」として生涯を終えた。
だが、ワタシは、姉二人の思い出記より、類の「鴎外の子供たち」の方が好きである。身内の悪口たくさん書いてあるからね。やはり、こういう「無能の人が残した本」というのは、パワーがある。