夏目伸六「父と母のいる風景 続父・漱石とその周辺」(芳賀書店 asin:B000JA6G0Y) いつまでも七光本・・

図書館本、読了。1967年の夏目伸六の第四エッセイ集。


最初のエッセイ集「父・漱石」すら、漱石に関係ない文章が収録されていたため、本人は別の題名をつけたかったのに、編集者に強制されて無理矢理「父・漱石」という題名をつけられたという、漱石の次男・伸六。
この本はさらに漱石についての文章の比率はさがり、全体の半分以下なのだが、それでも「こういう題名」を「編集者の強制」でつけざるを得なかったという。漱石に関係ないエッセイも、結構、面白いのにね。


おまけに、漱石の子どものころから死去時までの写真が、本のあちこちに10数枚、散りばめられている(そのうち、伸六も写っている写真は2枚くらい・・)。ここまでやられると、嫌になるねえ。


ちなみに、子どものころの「夏目房之介の絵」を褒めている文章があった。著者の妹が、「自分の娘の絵がうまいとやたらに褒める」ので、「それだったら、兄貴の息子の絵のほうがよっぽどうまいぞ」と。
その少年・房之介が書いた絵は、「男女が向かいあっていて、母のおなかの中に姉が、父のおなかの中に自分が入っている」状態を描いた絵だったそうだ。