隠れた名作だ!! 姫田忠義「ほんとうの自分を求めて」(ちくま少年図書館 asin:B000J8TWXY)

図書館本、読了。これはクサイ題名で損しているが、「隠れた名作」だ。私の生涯のベスト10に入れるかも。
ちくま少年図書館」の中の、出来のいい本はたいてい、ちくま文庫に入っているのだが、この本はスルーされちゃったんだなあ。


著者は「映像民俗学者」として知られる人で、図書館でこの人のビデオを借りまくって、その面白さにシビレテいる私だが。この本は、1977年発行の彼の自伝。


1928年生まれ、戦前は「軍国少年」、戦後は「演劇青年」だった姫田が、たまたま「読書新聞」で宮本常一の瀬戸内海の人々の暮らしについての文章を読む。それで、「日本常民研究所」に宮本を訪ねていったところ、宮本は一面識もない青年に、地図を見ながら、真夜中まで瀬戸内海の暮らしについて延々と説明をしてくれたという。


この出会いが、のちに彼を「映像民俗学者」に変えたのだ。その後、姫田も師匠の宮本に負けないほど「日本中(とくに山村、離島、アイヌの村)を旅して回る」人になる。


アイヌ人で、アイヌ文化の研究者だった萱野茂との出会いのエピソードも感動的だ。


この本を参考資料にして、Wikipediaに「姫田忠義」を新規作成した。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%AB%E7%94%B0%E5%BF%A0%E7%BE%A9