映画「周防猿まわしの記録」@銀座・吉水

姫田忠義監督作品を毎月上映している、銀座の吉水という旅館(http://www.yoshimizu.com/)があるのだが、そこの上映会で、妻と見てきた。


これは「食事+上映会」をいうセットなのだが、「18時から食事」なのに、30分早くついてしまい、「こちらへどうぞ」と通された食事部屋には、姫田先生お一人が座れれている・・。
「先生と私たち夫婦二人」状態で、非常に緊張。話しかけるのも、何だかはばかれるし、沈黙が続く。


しばらくして、関係者の方が集まってこられて、最終的には、先生や、息子さんの蘭さん、スタッフの今井さんとも会話をさせていただき、嬉しい時間をすごさせてもらった。


地下の上映室に降りると、NHKで製作した「北極圏トナカイと生きる はるかなるサーメの大地」(2002年)を上映していた。


しばらくして、19時の定刻になり、「周防猿まわしの記録」の上映開始。1963年以来途絶えていた、「猿まわし」の芸を、1978年に村崎義正氏他「周防猿まわしの会」が復興した記録映像。


新宿の歩行者天国での、村崎太郎さんの猿まわし興行のシーンから始まり・・。
そして、犬山モンキーセンターでの猿さがしから始まる、太郎さんの「調教」、特に最初の1週間をかけての「2本足歩行」の厳しい訓練風景が描かれる。猿に上下関係をわからせないといけないため、猿がいうことをきかないと、調教師は盛んに背中を噛む。

 
そのハードな調教ぶりに、他の観客のみなさんショックを受けられたようだが・・。私は事前に村崎義正氏の本を読んでいて、「調教はハード」ということは頭にあったので・・。今回の映画に撮られた、「調教の後、村崎太郎さんの胸で安らかに眠る、猿の三郎」の絵に感動し、猿と人間との信頼関係がよくわかった。


実は村崎本を読んで以来、その調教の厳しさを知って「猿まわしは、芸能としてはあまり好きでない」私だったが、この映画を見て、これから楽しく観ることがでるような気がする。


ちなみに、義正氏の弟の村崎修二さんは、独特の洗練された芸風の猿まわしを演じられていて、個人的にはこちらのほうが好きだ。(→http://d.hatena.ne.jp/kokada_jnet/20080420#p3