川崎ゆきお画業三十周念記念出版「2001年猟奇への旅」(幻堂出版)

図書館本、読了。1971年に「ガロ」でデビューした川崎ゆきおの「画業三十周年」を祝うために、2001年に発売予定だったのが、2002年8月発売と大幅にずれた「秘蔵・猟奇玉手箱」というセットの中に含まれていたもの。
http://homepage2.nifty.com/hon-karasu/ryoki-tamatebako.htm
目黒区立図書館がたまたま収蔵してくれていたので、地元の図書館にリクエストして私は読めたのだが、目黒区の図書館はどうしてこれを買うことに決めて、そして「セット販売」なのにこの本だけどうやって入手したのだろう。気になるところだ。


内容は、川崎ゆきをのレア漫画「猟奇王子シリーズ」「猟奇の路地裏」「21面相対猟奇王」と、多数の関係者の漫画、コラム。
執筆者は以下のとおり。

文章では、川崎文章をマニアックに拾いあげて分析したナンダロウさんのやつと、もと「もののけ」同人で大塚英志などさまざまな編集者に川崎ゆきおを紹介したという(それで、「漫画ブリッコ」の別冊に川崎ゆきおが載ったのか!)高木ひとし氏のが面白かった。それと、今回、漫画ではなく「文章」で参加している鈴木漁生の「初期漫画に登場する『川崎くん』が好きだ」というのは、私も共感。猟奇王より、「会社に行くのを嫌がって、猟奇を夢みる川崎くん」シリーズは、好きだったなあ。


漫画では、川崎ワールドを見事に模写した逆柱いみりの「パスティーシュ」作品と、自分の漫画世界に猟奇王を呼び込んだ福満しげゆき作品がよかった。