図書館本、読了。
1965年生まれ(だから、私とほぼ同世代)の著者が、戦前〜高度成長期までの「自分でも伝説としてしかしらない」や求人たちにインタビューに行く。
その「プレイを知らず、物語しかしない著者」が、名選手たちの「物語化されていない、真の姿」を探り出すための、「聞き手の側のココロのゆれや葛藤まで描写している、いわば「ニュー・ジャーナリズム」的手法をとった、インタビュー本。
インタビュー相手は以下のとおり。
- 苅田久徳/88歳の[名人]の片鱗が光った瞬間
- 千葉茂/[猛牛]は今日も東京ドームに向かう
- 小鶴誠/[和製ディマジオ]が駆け抜けていた街
- この3人は、おそらくインタビューを受けること自体が久しぶりで、その「野球を思う存分語れる快感」に当人たちが実に幸せそうなのが素晴らしい。
- 金田正一/球界の[天皇]は生涯ムキで行く
- 「物語」に基づいたインタビューを嫌う金田。高橋は必死に食い探し、「長島四三振」の神話をきり崩すことに成功。
- 杉下茂/[フォークボールの元祖]が解く魔球の由縁
- 杉下のフォークはむしろナックルだったという。
- 中西太/[怪童]のエンジンが震えるとき
- 吉田義男/[牛若丸]に犠打と遊撃の真義を聞いた
- 西本幸雄/[非運の闘将]は今も日本一の夢を見るか
- 稲尾和久/[鉄腕]はなぜ死ななかったのか
- 年間42勝という大記録は、「コントロール主体」の省エネ投法が基本にあったという。
- 関根潤三/今こそ球界には[一勝二敗の名将]が必要だ
- 解説的対話/伝説のプロ野球ファン大瀧詠一に会いに行く