DVD「ミラクル7号」(asin:B001GC155U)

ツタヤの郵送レンタルで。チャウ・シンチーの2008年公開作。


近年は、日本漫画の影響が大きい作品を撮ってきた彼だが、今回は「藤子不二雄」テイストの作品。「不思議なお助け生物」がいじめられっ子の主人公を助ける話(インタビューでも「ドラえもん」の影響があると語っていた)。
チャウ・シンチーは「貧乏」を描くのが本当にうまいなあ。美術監督の手柄もあると思うんだけれど、貧乏人と金持ちとのある意味「クサイ対立」が、彼の映画ではまったく嫌味にならない。抽象的な貧乏ではなく、血肉の通った貧乏だ。


ところで、シンチーは「父親役」で出演はしているのだが、真面目で地味な演技。
前作「カンフー・ハッスル」に続いて、シンチーがもう、「自分の演技で笑いを取ろうとしていない」のが残念だ。もう、監督・プロデューサー役をメインにするつもりなのかな。


それと、主役・敵役など、3人の男の子の登場人物を「女の子の役者」にやらせている「趣向」も、特に成功しているとは思えず、イマイチ訳がわからない。
シンチー映画の常連の「眼鏡をかけた体育の先生」役の役者さんは、相変わらず可笑しかったけれど。