映画「ミリキタニの猫」

シネフィル・イマジカで放送したものを録画しておいたのを観た。
サクラメント生まれだ」と繰り返し訴えながら、「日本人の優秀さ」も訴え続ける、収容所経験のある日系人ジミー・ミリキタニ
ニューヨークの路上で、ストリート・アーティストをしながら、アメリカ政府への呪詛を唱える、日本とアメリカに引き裂かれた彼を。監督のリンダ・ハッテンドーフは、911による環境悪化を理由に自宅に引き取って世話をし、公共住宅への入居までこぎつけ、映画のエンディングでは、彼が収容されていたツールレイクの収容所を再訪する。


親切にされても礼も言わず、「自分はグランド・マスターだ」と当然のような態度を取るミリキタニ。その姿勢が虚勢だと知っている監督は、彼のその態度を責めず、終始暖かく接し、ミリキタニの頑なな気持ちもじょじょに解けていく。