1-01-02から1日間の記事一覧
宇野利泰(うの・としやす) 明治四二年東京に生まれる。 昭和七年東京大学文学部卒。 英米文学翻訳家。 主訳書 ロバート・シェクリイ「無限がいっぱい」(早川書房刊) レイ・ブラッドベリ「華氏四五一度」(早川書房刊) ジョン・ル・カレ「寒い国から帰っ…
昨年、ある団体に加わってヨーロッパに遊んだときのことであろ。なにしろ、一面識もない同士だから、食事の席などでは必ずおたがいの職業、境遇の詮索が始まる。 「翻訳をやっています」 「ほう、どういう?」 「ミステリとかSFとか」 わかったふうなわか…
ウエルズの『宇宙戦争』がはじめて邦訳されたのがいつなのか、くわしいことはなにも知らないのだが、私より上の世代のかたがたのなかには、改造社版の大衆文学全集の一冊によってはじめてこの作品に接したという向きかかなり多いはずである。茶色のクロース…
現代イギリスのすぐれた批評家であり小説家であるV・S・プリッチェットはその評論集『現代作家論』の中に、『サイエンティフィック・ロマンス』という題でH・G・ウエルズをとりあげている。「タイム・マシン」から「空中戦」まで読んで、彼がこれらの作品…