1-01-16から1日間の記事一覧
永井淳(ながい・じゅん) 昭和十年秋田県に生まれる。 昭和三十ニ年埼玉大学英文科卒。 英米文学翻訳家。 主訳書 ジョン・トーランド『最後の一〇〇日』(早川書房刊) コナン・ドイル『ロスト・ワールド』(角川文庫) サーバン『角笛の音の響くとき』(早…
SFの厖大な凡作の山のなかから、久しぶりに気にいったのが見つかり、訳すことにきめる。はじめたばかりは鼻歌きげんだが、そのうちどうしようもない泥沼にはまりこみ、おそろしく悲壮な気持でむりやり訳しおえ、締切りはすぎているのでしかたなく編集部へ…
寝ても覚めてもSF漬けでこの十年あまりを生きてきたぽくにとっては、「SFと私」などと殊更らしく構えるのが、どうしようもなく空々しく、無意味に思えて当り前だろうが、にもかかわらすこの問は、しぱしばぼくの内奥の声となり、「お前にとってSFとは…
1968年12月29日の夜中、わたしはベッドに寝て、アポロ8号着水の中継カラー放送を見ていた。太平洋の夜明けがすばらしく、FEN放送の中継アナのメカニックな声が雑音の中を響いてくる。 「一人目の飛行士が見えてきました。二人目が見えてきました。三人目…