水木しげる「縄文少年ヨギ1・2」(小学館入門百科シリーズ)

近所の図書館で借りて読んだ。85年刊行の「入門百科シリーズ」中のカラー漫画(他は鬼太郎、悪魔くん河童の三平と、水木代表作網羅)。
「自分語り」ブームがくる前の、80年代の水木先生はこういう百科仕事でしのいでたんだねえ。


ところで、こちらで「ヨギ」の異版の話がでてましたが。
http://d.hatena.ne.jp/automate_tomo/20040430

そこには主人公ヨギが村のシャーマンになるべく、『神を食べる』という試練にいくという話があった。あるシャーマンは飢饉の際、死に絶えた村の中、神の使いと奉られていた大鴉を殺し、その肉を食してからシャーマンになったという。この物語もやはりそのディテールは失われてしまったが、ヨギは幻を見ながらキノコを齧り、それが神であったためにシャーマンとなれた。私はこのキノコというものに妙に憧れを抱き、そのマンガを読んで以来、大嫌いであったキノコを食すようになった。いつか来る神の変化したキノコを食す日のために慣れておく必要があると感じたのだ。

http://d.hatena.ne.jp/kotohogisinji/20040508

僕はそんな凄い話だったのかと驚いて、中野のまんだらけに行き、『縄文少年ヨギ』の古いコミック(全一巻、双葉社、昭和51年、初版)を買った。非常にスリリングな物語であった。縄文時代の小さな村は、多くの戦争、飢え、災害を経験する。十歳になったばかりの少年ヨギは、多くの愛すべき人々の死を乗り越えて成長していくのであった。
ただ彼女がコメントで書いていたナマコや大烏の話は出てきたのだが、肝心の巨大キノコの話は出てこなかった。彼女の記憶違いなのだろうか。しかし、僕も小学生の頃読んだヨギはもう少し違った話であった気がするし、非常に重要なエピソードが抜けていた気がするのだ。
僕達の世代が読んだヨギはおそらく、51年の双葉社の単行本ではなく、小学館から後に発売されたハードカバーであったはずである。水木は同じ作品をよく書き直すので、異なる内容になっているのかもしれない。

kotohogiさんがかかれているように、tomoさんが読まれたのは多分、この小学館版ですね。キノコの話も大ガラスの話も出てきます。(なお、キノコを齧りながら神のヴィジョンを見たのは、ヨギではなく、ヨギの村のシャーマンのオババで、大ガラスを食べてシャーマンになったのはオババの先代のオババでした。キノコはベニテングダケの一種だったのだろうと、少し無粋な解説がつちえました)