これも図書館本、読了。前半は「ガロ」に連載された、貸本作家時代の回顧録「劇画風雲録」で、これは後に桜井文庫から再刊されていて、私はそちらの版で読んでいる。
後半は、刊行時に書き下ろしの交友録「劇画人列伝」で、こちらが面白い。
メンバーは、水木しげる、滝田ゆう、佐藤まさあき、水島新司、山上たつひこ、永島慎二、つげ義春、さいとうたかを、白土三平と、キャラ立ちまくりの先生方。
水木先生の妖怪キャラぶりとか、佐藤まさあきのデラックス趣味(豪邸に滝を作ったのは有名だが、劇画工房時代から酒も飲めないのに事務所にホーム・バーを作って悦にいっていたらしい)とか、水島先生のド根性ぶりとか、それぞれいい味だしているの・・。
だが、「あまりつきあいがなかったため、わざわざこの企画のために会って取材して書いた」山上たつひこのエピソードがサイコー。
「住まいは航空写真を参考にして、方位をもとに決めた」「老若男女に支持される国民マンガをかきたいという」「食べ物に対する薀蓄が始まると止まらなくなる」という、普段マスコミに出てこず、マンガの中で小出しにしている、山上先生の濃いキャラが爆発。