「上方漫才黄金時代(7)」(ASIN:B00005EO0S)

  • 昨日の「ダイマル・ラケット」のつまらなさと比較すると、今日は、最高!。至福の4組。こういう漫才聞くと幸せになるね!
  • ミスワカサ・島ひろし「ワカサの先代萩
    • ワカサはまさに「ミスワカナ」直系て感じの芸達者さ。大人しくて上品な声調と、一転して下品で伝法な声調(「じゃかまっしい」と巻き舌で啖呵きる)、この落差が最高。
    • 相方のひろしも、素っ頓狂な奇声を出し、達者な芸。
    • 歌舞伎の「先代萩」の声色が開始。ひろしが奇声を発し「政岡の千代松やがな」「ゴジラが出てきたのかと思った」とワカサ。
    • ワカサが政岡の声色(これが達者)にギャグを織り交ぜて、話を進めていく。ひろしは、長唄を歌う。これがまたうまい。
    • ひろしが鼠役をやることになるが、演技がうまくいかない。そこでワカサの啖呵。「闇夜の晩には、足下のほうから、気をつけて歩けや」
    • 最後は鼠役のひろしが酔っぱらい、「何のんだんや」「どぶ(どぶろく)や」「やっぱり、おのれは〜ドブねずみ〜」で幕。
  • 千歳家今治千歳家今若「大阪神戸案内」
    • ゆっくりした口調の、ノンビリコンビ。だじゃれづくしだが、くだらなすぎるのと、間がよくて笑わせる。
    • ボケ、ツッコミの役割はあるが、どちらがどちらかはわからなかった。
    • 「君の趣味は」「第二は旅行、第一は金魚すくい
    • 大阪城は英語でミス・オオサカや」(嬢と城のしゃれ)
    • 「JOBKとは、ジャパン・大阪・番場・角の略や」(このギャグ、小林信彦の「唐獅子株式会社」にもあったよね)
    • 「神戸と言えば楠公」「楠公が戦った時は蚊が多くて、足が蚊にさされた」「足利攻めるというてな」
    • 楠公さんは偉いもんで、当時からラジオを考えてはった」「なんでや」「楠公さんの紋は「水に菊」やないか。「見ずに聞く」ならラジオやないか」
  • 姿三平・浅草四郎「死ぬほど愛して」
    • ボケが主導でテンポよく話を進めていく。二人ともカマっぽい、柔らかい口調。初期のサブロー・シローを連想。
    • ボケの三平はトニー谷系の奇声を発する。「ごめんなさ〜い」とカマっぽくしゃべるのが、「決まりギャグ」。あと音声ではわからないが、「目を向いてる」というのがウリだったよう。
    • ツッコミの四郎は、「芦屋雁之助のおかま声」風のしゃべり。
    • 「すきやき作ろか」「僕はダチョウの卵いれるわ」
    • 「日本にも象はいるわ」「小さい子供の象が寺で木魚叩いてた」「それは小僧や」
    • 「腹立つなー、もー」の四郎に、三平が申し訳なさそうに「しゃくにさわるわなー」と謝る。これも、繰り返される「決まりギャグ」。
    • 心斎橋」が二人とも「シンシャイバシ」になってしまう。そこで「舌の練習」。「ハモニカ、ハーモニカ、ハモニカ、ハーモニカ、心斎橋」と二人でハモル。
    • 「恋人づくり」のコントが始まる。「上品な音楽喫茶に入らんとあかん」「あたし、ラムネと焼酎がいいの」「もっといい物頼ませろや」「たとえば」「はったい粉
  • 西都波呂・西都次呂「嘘も方便」
    • 滑舌よく、落語風のテンポのコンビ。もしかして元落語家コンビかな。
    • どちらがボケで、どちらがツッコミかは不明。ボケは巻き舌の桂小枝風のもっちゃり声。
    • ネタは古式の「万歳」を思わせる。格言・ことわざを延々と続けて、説明不能な会話合戦(「負けるが勝ちや」「勝つが官軍や」等)。この問答が、メチャクチャ楽しい。
    • 「君の子はかわいいな。馬鹿な子ほどかわいい、というてな」
    • 「子供を一生懸命育てたはいいが、トラックにあたってトンコロといってしまう」「なんちゅうこと言うんや」
    • 「果報は寝てまてや。今度宝くじこうたら、当たるまで寝てるつもりや」