トマス・M・ディッシュの評論集「The Dreams Our Stuff is Made of」の柳下毅一郎による紹介@「SFマガジン」2006年8月号

ディッシュのSF評論って面白そうだなあと思って、以前、原書を買ったことがあったのだが、読めずに挫折している。どこかで、翻訳出してくれないかな・・。


と思っていたら、去年のSFマガジンで、柳下毅一郎が、私が挫折した本、「The Dreams Our Stuff is Made of: How Science Fiction Conquered the World」(asin:0684859785)を紹介してくれていた。
柳下によると、この本は「SFがわれわれの想像力にどれほど深く影響を与えてきたか」「そして、SF小説の中で示される想像力がいかにわれわれの現実に根ざしたものか」を論じた本だという。
そして「スタートレック自己啓発本や、オウム真理教サイエントロジーのようなSFから生まれた宗教などを論じている。
そして、柳下が紹介する「Star Trek Fans and Costume Art」(asin:0878059202)という本には、日常生活をスタートレックの服装ですごす人たちが登場している。
その本の中の、一家揃ってクリンゴンのコスプレをしている女性は、「薬物中毒から脱出するため、クリンゴンとして生きることを選んだ」というのだ!!


あと、このディッシュの毒舌が面白かった。

ディッシュはSFは子供向け文学の一形態、いわがネオテニーだと論じる。SFは知的に成熟した子供か、ブルーカラーの技術者(理系の非エリート)のためのものなのだ。