石上三登志「日本映画のミステリライターズ」@「ミステリマガジン」2006年12月号、2007年1月号

図書館本で。
この連載の第4回、第5回で。のちの黒沢映画の名脚本家、小国英雄の「プレ黒沢時代」の作品が取り上げられている。


12月号では、昭和16年の「昨日消えた男」。これは長谷川一夫山田五十鈴主演、マキノ正博監督で、「世間一般的にも名作の」捕物帖。石上は、「ミステリ的にも、スゴクよくできている」と書いている。
1月号では、「幽霊列車」という昭和24年作品。この映画は、私、スカパーで途中まで見たな。「列車の幽霊」が出るという設定から、実はそれが「隠匿物資を運ぶ秘密列車であった」というオチ。「探偵役が、柳家金語楼なのが、面白い」。
これは、「世間的な評価ではB級映画」なのだが、石上と同世代の「戦後映画少年」辻真先が、半自伝的的なミステリ「くらやみの天使たち」という本で、この映画を絶賛しているという(それで、その本、先日マーケットプレイスで買ってみた)。


「ミステリマガジン」1月号は、ミッキー・スピレインの追悼特集号でもあって、鏡明の「彼は世界を変えた」、小山正の「怪優ミッキー・スピレインに想う」が面白かった。(スピレイン、自分で映画でマイク・ハマー役を演じたりしているらしい。スゴイね)